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 ――そして一ヶ月後、美保は禮土島に足を踏み入れた。
 先に大きな荷物は相手の家に送っていたので、美保はハンドバッグ一つだけ持っている。
「ああ、美保さん。彼ですよ。彼があなたの新しい夫になる麻野さんです」
 フェリーから美保と共に降りてきた鮫塚は、港で待ち構えていた男を指差した。
 麻野草太は三十四歳になる男性で、まるでラグビー選手のように体格が良い。黒髪の短髪で、陽に焼けた顔で二カッと笑いながら、こちらに手を振っている。
「草太さん、お待たせしました。この方があなたの奥様になる美保さんです」
「はじめまして、美保と申します」
「どうもはじめまして、俺が麻野草太です。写真で見るよりずっと若くて美しい方だ。こんな所で立ち話もなんですから、ウチに移動しましょう」
「そうですね」
 普通乗用車で来ていた草太は助手席の扉を開けて、美保を促す。
「美保さん、助手席へどうぞ」
「あっありがとうございます」
 勧められるままに美保は助手席に乗り、鮫塚は後部座席、草太は運転席に座る。
「家はここから車で三十分ほどです。景色でも見ていてください」
「はい」
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