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<初仕事、終了>・2



…どういうところで感心されているんだ? オレ。

『今日はどうする? 家に帰るのなら、送るわよ?』

「いえ、泊まります。いろいろ…疲れたので」

『分かったわ。それじゃあ明日ね』

「はい…」

重い気分で受話器を置いた。

体は軽くなったけれど、心は重い。

ソファーに倒れこむと、夜景が目に映った。

「キレイだな…」

せめて女の子と二人で過ごすのならまだしも、一人っていうのもアレだな。

でもオレは混乱する思考を収めたかった。

直前まで、オレは紗雪を抱く気はなかった。

けれど触れてしまったら、気持ちが溢れ出して止まらなくなった。

だが事が終わるとまた、冷静になれる。

きっとあの熱い感覚が、性欲なんだろう。

この感覚を扱う職業こそ、オレがこの先継ぐべき会社の仕事だ。

頑張らなくちゃいけないと思う反面、体と心、どちらかが折れるのが先かと考えてしまう。

「逃げられないだろうしなぁ」

あの父親と秘書軍団から逃れるほど、オレは行動的でもなければ、命知らずでもなかった。

だから今は、言う通りにするしかないだろう。

「早く一人前にならないとな…」

欠伸が出た。

まだ疲れが残っているみたいだ。

オレはソファーに身を沈めながら、目を閉じた。

早くこの仕事を、跡継ぎとして継げるようにと思いながら…。



…まだオレはこの時、はじまったばかりだということに気付いていなかった。

性は奥が深いのだ。



【終わり】
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