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そう簡単にはいかなかったことを、言わなくても梨奈は実感しただろう。

「半ばヤケになっちゃっていたのかも。もう止めておくね?」

「うん、そうしな。大丈夫。梨奈ぐらい可愛いコだったら、本当に愛する人と巡り合うことができるよ」

微笑みながら言うと、梨奈も少し笑った。

「その人とセックスの相性も良いとイイけどね」

「それはその…二人の努力次第だと思うよ」

「ふふっ。頑張ることにするわ」

楽しそうに笑う梨奈を見て、オレはようやくほっとした。

不感症ではないことを分からせた上に、恋愛について前向きになれたみたいだ。

願わくば、梨奈が愛する人が、梨奈を心から大事に思ってくれますように―。

祈りにも似た思いを抱きながら、梨奈の体を洗い、後処理をした。

バスルームから出ると、ちょうど梢さんからケータイに連絡が入った。

メールで、もうすぐ時間だと知らせてくれる。

「もう、時間なのね。あっという間だったわ」

苦笑する姿を見ると、今までは苦痛の長い時間を味わってきたんだろう。

そう思うと胸が痛む。

「あっ、そうだ」

梨奈は自分のバックから、一枚のカードを取り出し、オレに差し出した。

「コレ、持ってて」

受け取ると、カードは名刺みたいな物だった。

梨奈の笑顔のプリクラが貼られていて、その下には電話番号とメールアドレス、それにもう一つのアドレスが…。

「梨奈、この3番目のアドレスは?」

「あっ、アタシ、ホームページ持っているの。良かったら見てね」

「うん、分かった」

「それと…何かあったら、連絡していーい?」

モジモジしながら上目遣いで見られた。

その恥らう姿に、思わず抱き締めたくなる気持ちを抑える。

「良いよ。じゃあ今からオレのケータイ番号とメルアド送るから」

「うん!」

オレはケータイを操作して、まずは梨奈の連絡先を入力した。

そしてすぐに電話を鳴らし、メールを送る。

「あっ、ちゃんと来た」

「良かった。じゃあ何か困ったことがあったら、気軽に連絡してくれよ? オレ自身はもちろんのことだけど、会社の力も使うから」

「百人力ね! …ありがとう、若様」

「ああ、じゃあね。梨奈」

満面の笑みを浮かべる梨奈。

最後に頭を撫でて、オレは部屋を出て行った。
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