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「あの…その、ゴメンなさいっ! わたしにはその…付き合っている人がいるんです!」
 思い切って叫んだ言葉は、目の前の男の子の胸を容赦なく貫いただろう。
「じゃあ、これで…」
 心理的ダメージを受けている男の子をその場に残して、わたしは教室に戻った。
「ふぅ…」
 教室に戻ると、女友達2人が駆け寄ってきた。
「ミコ! アンタ、付き合っている男いたの?」
「それより何でフッちゃったのよぉ! 例え彼氏がいても、二股かければいいじゃない!」
 …コレが女友達の怖さだと思う。
 遠慮なく、大声で問い詰めてくるんだから。
「だって…二股なんてムリだし。それに彼がフリーになった方が、いいでしょう?」
「むぅ」
「そりゃまあそうだけどさ」
 わたしがついさっきフッたのは、この学校でベスト3に入るぐらいのイケメンだった。
 爽やかな雰囲気と、優しい性格の持ち主で、彼をキライな人なんてこの世にいないとさえ言えるぐらいの良い人だけど…。
「それに彼、正直言ってわたしのタイプじゃないのよね」
 それが一番重要。
「爽やかイケメン、キライなの?」
「キライじゃないわ。友達としてなら充分アリよ。でも…恋人としてはちょっと物足りないかも」
「でも彼、草食系の部類だけど、そんな弱くはないわよ?」
「う~ん…何と言うか、わたしはもうちょっと強気の人が良いの」
 友達2人は顔を見合わせ、深くため息をついた。
「この学校で3本の指に入る美少女・ミコの彼氏、一度見てみたいわ」
「肉食系の人なの?」
「べっ別に肉食ってワケじゃないけど…。あっあと、会うのはムリ! 彼、仕事で忙しいから…」
「えっ! ミコの彼氏って社会人?」
「うっそー! 高給取り? どこに勤めてんの?」
「べっ別に良いでしょ! どこでも! 何でそんなに食いついてくるのよ?」
「だってさ、ミコってば学校中のイケメンに告白されても、全部断ってるじゃない? そんなミコの心を射止めた人、見てみたいじゃない」
「そうそう。よっぽどステキな人なんでしょうね」
「うっうん…。まあわたしにとっては…ね」
 わたしは自分の好みを熟知していた。そしてその悪さも…。
「でもどこで彼に告白されてたの、見てたのよ?」
「だって」
「ねぇ」
 2人は黙って窓を指さした。
 …ああ、この教室は二階にあって、そのすぐ下の中庭で告白されたんだっけ。
「見てるなんて趣味が悪いわよ」
「だって今度こそは!って思ったんだもん」
「まあいつも通りだったけど、ミコに彼氏がいるってことが分かっただけでもめっけもんよね」
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