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 わたしの彼氏の家は、町外れにあるボロアパート。
 明らかに昭和時代から建っているであろうこのアパートに住んでいるのは、最早彼だけ。
 管理人でさえ、このアパートの向かいの平屋に住んでいる。
 彼がここに住み続ける理由は3つ。
 一つめは家賃が安いこと。
 二つめは近所にあまり人がいないこと。
 そして三つめは…わたしの為、かな?
「はあ…」
 深くため息をついて、わたしは足を進めた。
 彼の部屋の合い鍵はある。
 わたしはいつも通りに鍵を回して、ドアを開けた。
「こんにちわ。今日も来たよ」
「おっ、来たの?」
 部屋の中にいるのは…正直に言うと、ブタみたいな男。
 かなりのデブで、髪もボサボサに伸びている。
 フレームの歪んだメガネをかけていて、笑うと背筋がぞくっとしてしまう…。
「うっうん。あっ、ゲームしてたの? 今日はお仕事は?」
「今朝終わったよ。だから息抜きしてたんだ」
 わたしは床に散らばるゴミを避けながら、彼の元へ行った。
 部屋も汚い。ゴミ置き場かと思うぐらい。
 匂いも酷い。生ゴミが置いてあるからだ。
 片付けようとすると怒るので、わたしは何も手が付けられない。
 洗濯もそう。
 だから彼が今着ているのは、ボロボロで汚れた女の子のキャラが描かれたTシャツにジャージのズボン。
 おフロ嫌いだから、着ている服も汚れるのが早い。
 いつもここに来ると、鼻がおかしくなってしまう。
 それに着ている服も…。
「ねぇ、服脱いだら?」
「えっええ、そうね」
 ちなみに学校から直で着たので、まだ制服だったりする。
 わたしは立ち上がり、洗面所へ向かった。
 ここもスゴク汚れている。
 けれど新品のゴミ袋があるので、わたしは一枚引き抜いて使用する。
 制服を脱いで、下着も脱ぐ。
 それを袋に入れて、棚からバスタオルを取って体に巻き付けた。
 こうすることによって、何とか服を無事に保てる。
「脱いできたよ」
「あっ、もうちょっと待ってて。キリの良いところでセーブするから」
「うん」
 彼は大画面のテレビに向かっていた。
 やっているゲームはギャルゲー、彼の大好きなソフトだ。
 彼は職業もゲームに関わりがある。
 彼は萌えキャラを描かせたら右に出る者はいないとさえ言われるほど、天才的な絵を描く人。
 でも外に出るのを酷く嫌っているので、いつも会社の方から彼に仕事の依頼が来る。
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